★ウエイト・トレーニングの原則を把握して効率の良いトレーニングを習得 |
筋肉は我々が生活していく上で非常に大切な役割をしています。女性にとっては筋肉に対するイメージが特に悪く受け取られていましたが、近年になってから筋肉の重要性がシェィプアップや介護方面から非常に重要視されるようになってきました。筋肉と言っても様々ですが、大きく分けると下記の通り分けられます。これらを理解し、より効果的/効率の良いトレーニングを行ないましょう。
- 骨格筋(横紋筋)身体を支えている様々な筋肉『脚、腕、腹、背中等』
これらの筋肉は、自分の意思でコントロールが可能であり、加齢と共に徐々に衰えて来ますが、適度に筋肉を使う事で予防が可能です。もちろん、やり過ぎは良くありません。特に40歳以上では適度に身体活動をしている人と、そうでない人では歴然とした差が生じてきます。
※50歳では±20歳以上の年齢体力差が生じるとも言われています。今日では腰痛、膝痛を訴える人がいますが、その多くは摂取量と消費量のアンバランスによる過体重(肥満)が生じた為に腰、膝といった関節へ必要以上の負担が生じる事によって起こります。簡単に例えると4トン、トラックに7トンの積載を長い時間した場合、ショックアブソーバーやスプリングが壊れるのと同じようなものです。
この他、骨格筋の役割としては『筋ポンプ作用=ミルキングアクション』といって筋肉の収縮によるポンプ作用で行なわれる血液循環作用があります。血液は心臓の収縮力によって動脈から送り出され、末梢で用いられた血液は静脈を通じて心臓に戻ります。人間は立位の為、重力に逆らう流れになる為、各部位の筋肉の収縮をポンプ的に活用して循環の手助けをしています。他にも基礎代謝を向上させる事で、体脂肪の燃焼や肥満予防の役割もあります。
※基礎代謝
意識して動いていない時でも生命を維持するためにエネルギーが使われています。この必要最小のエネルギーを基礎代謝量といい年齢(加齢とともに減少)、性別、体重等によって異なってきます。
基礎代謝量=体重×基礎代謝基準値kcal/kg/日 |
体表面積、食事、体温、外気温、筋作業ホルモンなどよっても個人差が生じます。
性・年齢層別基礎代謝基準値
年齢(歳) |
基礎代謝基準値(kcal/kg/日) |
男性 |
女性 |
1〜2 |
61.0 |
59.7 |
3〜5 |
54.8 |
52.2 |
6〜8 |
44.3 |
41.9 |
9〜11 |
37.4 |
34.8 |
12〜14 |
31.0 |
29.6 |
15〜17 |
27.0 |
25.3 |
18〜29 |
24.0 |
23.6 |
30〜49 |
22.3 |
21.7 |
50〜69
|
21.5 |
20.7 |
70歳以上 |
21.5 |
20.7 |
また、骨格筋は身体の表層部にある比較的大きな筋肉であるアウターマッスルと深層部あるインナーマッスルに分けられ、これらの筋肉をバランスよく鍛える事も非常に大切です。
■インナーマッスル
外から触れる事ができない、大きな力は発揮しないが運動の方向などを制御
(腕、脚を内側、外側へ向けたりする働き)
■アウターマッスル
外から触れる事ができ、大きな力を発揮できる。
(挙げる、押す、引く、曲げるといった比較的ダイナミックな動き)
- 心筋(心臓)全身に血液を送る主力ポンプ的な役割
- 内臓筋(平滑筋)『心臓を除く内臓』
自立神経の支配を受け、意識的に動かす事ができない。
※骨格筋を鍛える事により内臓筋もある程度強くなる。このように筋肉には多くの役割がある事が、ご理解していただけたと思います。
■ウエイト・トレーニングの原則を把握して効率の良いトレーニングを習得!!
- 全面性の原則
上半身、下半身、腕等、自分が鍛えたい/引締めたい部位のみといった偏ったトレーニングでなく、全身をバランスよく組合わせたトレーニングを組まなければなりません。人間は2本脚で直立姿勢の動物ですから他の四脚動物と比べ非常に不安定な姿勢の中で生活をしているので、一方のみを強化すると言う事は自らバランスを崩す事になります。
『上半身=下半身』 『上半身=前面と後面』 『下半身=前面と後面』
明らかに弱いと指摘されている部位に関しては、比率的に重点を置き強化するという事は構いません。
- 意識性の原則
そのトレーニングがどのような効果が期待できるのか、またどのような影響を与えるのかを理解して行なう事で、ただ漠然にトレーニング時間を費やすより効率的にトレーニング効果を得る事が出来る。
- 反復性の原則
トレーニングは定期的に反復して効果が出るもので、一時的、散発的の運動では十分な効果を得る事ができません。
- 過負荷の原則(オーバーロードの原則)
運動によって身体に負荷が(重さ等)与えられると、その刺激の内容に見合った反応をします。筋力向上やシェィプアップを目的とした場合には、一定以上の負荷を身体に与える必要があります。同じ負荷で長期間トレーニングを続けても初期段階では効果がありますが、それ以上は望めません。基本的には10回〜15回を行なえるようになったら、もう一段階負荷を上げます。
- 継続性の原則
運動刺激によって向上する筋力は、その刺激がなくなると低下してきます。継続した年数、トレーニングをしなかった期間などによっても異なりますが、可能な限り、週2〜3回ペースで行なえれば良いと思います。初めから高頻度(週4〜5回以上)高強度(運動の強さ)のトレーニングを行なった場合等はオーバー・トレーニングの状態になり意外に続けられなく事も多くあります。
※オーバートレーニング
(肉体的・精神的にストレスが蓄積された状態で、ある期間休養をとっても疲労感が取れない場合など)
- 超回復
トレーニングによって筋肉は一時的に損傷した状態になります。その後の栄養休養によって徐々に回復してきます。このような過程(運動→栄養→休養)を繰返し行なう事によって筋力が以前より強くなっていきます。
このような現象を超回復と呼び、適応機能のひとつとして考えられています。
一般的に超回復に要する時間は48〜72時間とされていますが、トレーニングのやり方や強度によっても異なります。
- 大筋群優先の法則
大筋群とは大きな筋肉を意味しますが、トレーニングを行なう際に大きな筋肉から行なっていく事が好ましく、決して小筋群(小さな筋肉)から行なうのは望ましくありません。
大きな筋肉とは、臀部、大腿部(前側→後側)背中等、これらをトレーニングする際に2つ以上の関節を使う筋肉の事です。
例)上半身であれば胸、上背部が代表的な筋肉です。
ベンチプレスやチェストプレス 主に強化したい筋肉→大胸筋(胸)
補助として使う筋肉→三角筋(肩)
上腕三頭筋(腕の後)
ベンチプレスやチェストプレスを行なう際には、肩関節と肘関節の2つの関節を使う事になります。
例)下半身であれば殿部や大腿部が代表的な筋肉です。
スクワットやレッグプレス 主に強化したい筋肉→大腿四頭筋(太腿前面)
補助として使う筋肉→大殿筋(尻)
スクワットやレッグプレスを行なう際には、股関節と膝関節の2つの関節を使いますが、レッグエクステンションでは膝関節のみの運動となります。またスクワットとレッグプレスの違いでは、レッグプレスが大腿部を中心とて強化されのすが、スクワットでは更に腹筋・背筋も強化されます。
※スクワットは姿勢保持の為、腹筋・背筋もかなり使われます。以上の通りウエイト・トレーニングをする際には、このような原則を把握して実施することで効率の良いトレーニングが出来ます。
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